4/17/2015

3月のシネりんの会合は「卒業」を語ろう!でもここで意外なことがわかったよ!


時が過ぎるのがめちゃくち早く、あれよあれよと4月も半ばです!なかなかブログを更新せずで、すみませんでした。この間、シネりんでは季節物のトピックをということで、みなさんと大いに語り合いました!その時の会合がどうだったかお伝えいたします。

去る3月13日、卒業の季節ということで「卒業」をテーマにした映画についてみんなで語り合おうということになりました。

「卒業」といえば去年ご逝去されたマイク・ニコルズ監督の名作「卒業」(ダスティン・ホフマン主演)ははずせません。この映画はいろんな意味でトレビア満載の映画でした。たとえば…
  • ダスティン・ホフマンとミセスロビンソン役のアン・バンクロフトは実際は6歳しか年が離れていなかった。
  • サイモン&ガーファンクルの曲(「サウンド・オブ・サイレンス」など)この映画から大傑作の映画音楽が生まれましたが、その中のひとつである「ミセス・ロビンソン」はサイモン氏が「ミセス・ルーズベルト」という曲をアレンジしたものだった。(曲はもちろんルーズベルト大統領夫人のことですね。)
  • 若きリチャード・ドレイファスがチョロッと出ている。
  • 「卒業」のベースとなった本は、チャールズ・ウェッブという人がなんと21歳の時に書いたもの。自分の学生時代の悩み(モヤモヤ感)をこの本を書くことで解消したかったと本人は回想している。また、ウェッブ氏はあのベンとエレインのバスでの逃避行から11年後の彼らの物語を執筆。その後、彼らは結婚し2人の子を持つ親になっていた。
原題は「Home School」 (日本では2008年に「卒業PART2」というタイトルで出版)
URL: http://books.google.co.jp/books/about/%E5%8D%92%E6%A5%AD.html?id=ddVjPgAACAAJ&redir_esc=y

このようにこの作品は未だに色あせずトリビアを紐解くごとに興味が尽きないのですが、シネりんではこの映画の意味を一歩踏み込んだ形でみなさんにシェアーいたしました。




写真はシネりん会合「卒業」を語ろう!より
実は「卒業」はアメリカ映画の描き方の分岐点になったものとして、おさえたい作品なのです。

当時の「卒業」がリリースされたアメリカについてアメリカ人の相方に聞きました。

当時公開されるとその内容はセンセーショナルなものとして驚き、一気に注目をあびました。それまでのアメリカのドラマや映画は、品行方正路線まっしぐらだったからです。

たとえば映画やドラマの中での夫婦の寝室にはダブルベッドは置いてありませんでした。2台のシングルベッドが置いてありましたので別々に寝ているという清潔なイメージを押し出していたんですね。(今では信じられない描き方ですが)現実とのギャップがあり、たとえそれが架空の描き方でも観客はある意味、納得して見ていたそうです―。

それがベトナム戦争に突入したことでアメリカは一変します。戦場の悲惨さをニュース映像や報道カメラでどんどんアメリカ国内へ流し始めたんです。
そしてその延長線上にあったのは嘘っぱちの映画はもうこりごりだという映画作家たちや観客たちの出現でした。
そう、これがアメリカンニューシネマの到来なのですね!

「卒業」は今までのアメリカ映画界の表現の仕方から脱却した映画なのです。これはある意味、アメリカの映画業界とそれを受け止めた観客たちの卒業だったということではないでしょうか…!?

シネりんにご参加のみなさんも大いに納得、またこの映画を見直してみたいとおっしゃっていました。みなさんもDVDなどで「卒業」をぜひご覧になってみてください。