5/25/2014

非常事態宣言の中2014年版「ゴジラ」をアメリカで鑑賞



”GODZIRRA”がとうとう全米で公開となりました。奇しくも公開日の5月16日は私の住むサンディエゴが9箇所の山火事に見舞われており、非常事態宣言がだされていました。映画と同じく消防隊の人たちが日夜たゆまない消火活動にあたっている時期でもあったので現実の怖さのなかでこのような映画を見に行くのをちょっと憚(はばか)れた部分もありました。でも映画好きの性でしょうか、今年はゴジラ誕生60周年にあたる年なので、日本人としてはどうしても映画館で見たかったというのが正直なところ。で、映画欲が勝ってしまい観に行ってきたしだいです。

さて、このアメリカでの公開は今もアメリカ人の根強いゴジラファンが存在することを知らしめた感があります。16年前の1998年版ローランド・エメリッヒ監督の「ゴジラ」があまりにも評判悪かったので2014年版のゴジラは世界中のゴジラファンの待望の一作となったようです。
ハリウッドのチャイニーズシアターの前の出現したゴジラ

さて思い返せば、私が子供のときにはすでにゴジラはこの世に存在しており、私の夢の中にまで出てきてたびたび恐怖のどん底に突き落とされた存在です。この恐怖感の先にあったものが何だったのかをもの心つく年頃に知りました。実はゴジラは核の落とし子、人間が生み出した核のせいで誕生したということを…。このことから「ゴジラ」を単なる子供向け怪獣映画だけでは捕らえられない特別のものとなりました。

それも1954年に製作された作品は「ビキニ環礁・核実験」を反対する姿勢をゴジラに託したという見方もできるものです。また出演者の顔ぶれが志村喬氏などすごい役者ばかりです。この時の若かりし宝田明氏も今では70代、現役でご活躍されていますが2014年版のこのゴジラにカメオ出演されているという情報もあり、とにかく楽しみにしていました!

ところが実際見てみると…

バトルシーンが「パシフィック・リム」を先に見ていたせいかなんとも動きの歯切れの悪さが満足感なくといった感じ。(これはゴジラが太りすぎたという見方もできます。)

また、この作品を3Dで見たのですが3D用のメガネが下記のようなタイプで一緒にいた主人が、このメガネだとスクリーンがいくら大きくても見る幅が限られてしまい、閉塞感があって楽しめなかったとのこと。あとで映画館サイドに苦言していました。



そして一番残念だったことは宝田明さんを見つけることができなかったということです!

それであとで調べてみると意外な事実がわかりました!
なんと宝田さんのご出演されたシーンがカットされていたのです!!!これにはアメリカ人のゴジラファンが怒りました。すぐに宝田さんのシーンを戻すように請願書を提出するための署名運動が展開されているようです。→http://www.thepetitionsite.com/127/717/655/put-akira-takarada-back-into-legendarys-godzilla/

日本公開まで約2ヶ月、この宝田さんのシーンが戻されて公開されることを願うばかりです。

さて、一番私がこの映画で強く思ったことは3.11後での60周年記念としてのこの映画を作られたのは日本ではなくアメリカだったと言うことです。日本では製作されにくい風潮があったのではと推測されます。このことから作品内には日本政府の隠蔽体質を批判する場面もありました。ですが渡辺謙さんが扮する科学者の背景もちょっと出ていて、アメリカのしでかした核の恐ろしさも描いています。現代の大きな問題点を考えさせてくれる映画だということです。それに渡辺謙さんがきちんと「ゴジラ」と日本語発音していたところに妙な共感を得ました。

日本のみなさん、ここでは内容はネタバレするので書けませんがぜひご自分の目で新生ハリウッドゴジラを確かめてください。そして何を感じたか今度教えてくださいね。

「ゴジラ」日本公式HP http://www.godzilla-movie.jp/


【アメリカ版の"Godziila"予告】