10/18/2014

77歳の婚活映画「燦燦、さんさん」あまり語られなかったお話し

来る第6回船堀映画祭で、シネマDEりんりんの選定作品が上映されます!!


いくつになっても女友達ってサイコー!!(映画「燦燦」より)

船堀映画祭の詳細はここをクリック!

11月9日(日)上映予定のシネりん選定映画「燦燦ーさんさん」はシニア世代の恋愛という日本ではあまり語られない部分にスポットを当てた物語です。
ですが大いに笑って笑ってホロッと気持ちが温かくなる感動作なのです!みなさん、ぜひぜひ観にきてください!


さて、ちょっと昔のことになるのですが、シニア恋愛のストーリーのさきがけで、渡辺淳一さん著の「エ・アロール それがどうしたの」(角川書店刊)という本が2003年に出版されて、当時話題となりました。

内容は東京・銀座の一等地にあるお洒落な老人ホーム「ヴィラ・エ・アロール」を舞台に、そこへ入居する老人達の自由奔放な生活ぶりと恋愛騒動を描いた作品です。作者の渡辺淳一氏はこの著書を書く為にアメリカの老人ホームへわざわざ取材しにいったといいます。

「エ・アロール」とは、元フランス大統領のミッテラン氏が新聞記者の質問を受けたときに答えた言葉です。ミッテラン大統領には愛人との間に娘がおり、その真偽について記者たちはおもむろに公の場でミッテラン氏にそのことを尋ねました。それに対して大統領は、『娘はいますよ!Et alors?(エ・アロール?)=それがどうしたの?』と一言つぶやいただけでした。記者たちはこの大統領の一言にハッとして、それ以上の質問はしませんでした。プライベートのこと、特に恋愛に関することをわざわざ公にさらし、それをスキャンダルにするというのは野暮な話だという表れです。渡辺淳一氏はこの言葉を引用したのですね。

渡辺さんのこのご本が出版された後、お元気なシニア世代において、既成概念的な考えから開放された方を多く見受けられるようになりました。

そして今では老人の恋愛が社会的にも認められるようになってきています。結婚相談所では高齢者の申し込みが増えてきており、老人ホームでは施設内の恋愛を認めるところも出てきました。そんな10年が経過したとき、吉行和子さんご出演での「燦燦」というシニア恋愛の作品ができあがったのは自然な成り行きのような気がしてなりません。

現在、どんな人も年を取り自分の人生を見つめなおす時期は必ずきます。吉行和子さんが劇中で「人生は、毎日がスタートライン」というセリフがあります。

これからシニアになる私は、この作品を拝見したおかげで、年齢を気にして何もしない人生、
他人の言葉に惑わされる人生、そんな人生にならないように自分のやりたい積極人生を歩みたいと強く思いました。


そう、もしも外野が何だかんだと言うものならば、笑顔でEt alors?(エ・アロール?)と言ってやりましょう!


5/25/2014

非常事態宣言の中2014年版「ゴジラ」をアメリカで鑑賞



”GODZIRRA”がとうとう全米で公開となりました。奇しくも公開日の5月16日は私の住むサンディエゴが9箇所の山火事に見舞われており、非常事態宣言がだされていました。映画と同じく消防隊の人たちが日夜たゆまない消火活動にあたっている時期でもあったので現実の怖さのなかでこのような映画を見に行くのをちょっと憚(はばか)れた部分もありました。でも映画好きの性でしょうか、今年はゴジラ誕生60周年にあたる年なので、日本人としてはどうしても映画館で見たかったというのが正直なところ。で、映画欲が勝ってしまい観に行ってきたしだいです。

さて、このアメリカでの公開は今もアメリカ人の根強いゴジラファンが存在することを知らしめた感があります。16年前の1998年版ローランド・エメリッヒ監督の「ゴジラ」があまりにも評判悪かったので2014年版のゴジラは世界中のゴジラファンの待望の一作となったようです。
ハリウッドのチャイニーズシアターの前の出現したゴジラ

さて思い返せば、私が子供のときにはすでにゴジラはこの世に存在しており、私の夢の中にまで出てきてたびたび恐怖のどん底に突き落とされた存在です。この恐怖感の先にあったものが何だったのかをもの心つく年頃に知りました。実はゴジラは核の落とし子、人間が生み出した核のせいで誕生したということを…。このことから「ゴジラ」を単なる子供向け怪獣映画だけでは捕らえられない特別のものとなりました。

それも1954年に製作された作品は「ビキニ環礁・核実験」を反対する姿勢をゴジラに託したという見方もできるものです。また出演者の顔ぶれが志村喬氏などすごい役者ばかりです。この時の若かりし宝田明氏も今では70代、現役でご活躍されていますが2014年版のこのゴジラにカメオ出演されているという情報もあり、とにかく楽しみにしていました!

ところが実際見てみると…

バトルシーンが「パシフィック・リム」を先に見ていたせいかなんとも動きの歯切れの悪さが満足感なくといった感じ。(これはゴジラが太りすぎたという見方もできます。)

また、この作品を3Dで見たのですが3D用のメガネが下記のようなタイプで一緒にいた主人が、このメガネだとスクリーンがいくら大きくても見る幅が限られてしまい、閉塞感があって楽しめなかったとのこと。あとで映画館サイドに苦言していました。



そして一番残念だったことは宝田明さんを見つけることができなかったということです!

それであとで調べてみると意外な事実がわかりました!
なんと宝田さんのご出演されたシーンがカットされていたのです!!!これにはアメリカ人のゴジラファンが怒りました。すぐに宝田さんのシーンを戻すように請願書を提出するための署名運動が展開されているようです。→http://www.thepetitionsite.com/127/717/655/put-akira-takarada-back-into-legendarys-godzilla/

日本公開まで約2ヶ月、この宝田さんのシーンが戻されて公開されることを願うばかりです。

さて、一番私がこの映画で強く思ったことは3.11後での60周年記念としてのこの映画を作られたのは日本ではなくアメリカだったと言うことです。日本では製作されにくい風潮があったのではと推測されます。このことから作品内には日本政府の隠蔽体質を批判する場面もありました。ですが渡辺謙さんが扮する科学者の背景もちょっと出ていて、アメリカのしでかした核の恐ろしさも描いています。現代の大きな問題点を考えさせてくれる映画だということです。それに渡辺謙さんがきちんと「ゴジラ」と日本語発音していたところに妙な共感を得ました。

日本のみなさん、ここでは内容はネタバレするので書けませんがぜひご自分の目で新生ハリウッドゴジラを確かめてください。そして何を感じたか今度教えてくださいね。

「ゴジラ」日本公式HP http://www.godzilla-movie.jp/


【アメリカ版の"Godziila"予告】


3/25/2014

「風立ちぬ」をアメリカの映画館でやっと見れた!


2014年第86回のアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされながらも惜しくも逃した宮崎駿監督の「風立ちぬ」"The Wind Rises" はアカデミー授賞式の2週間ぐらい前に全米の映画館で一般公開されていました。主人と私もなかなか観に行く時間がなく見逃していた一作です。
ですが3月に入ってからもこの作品は引き続き上映されていたのです。

2月中は日本語版で英語の字幕付きの上映をしているところがポツポツとあったのですが、3月中旬ともなるとアカデミー賞を見ていた映画ファン層を狙ってかしっかと上映されていました。(今回は英語吹き替え版の上映しか見つかりませんでした。)まあ、せっかくアメリカで観るのだし、いいかなと思い、英語吹き替え版を今回は観ることにしました。

一番注目したのはアメリカのボイス・アクティングです。堀越二郎を演じるのは今、ときめく若手のジョセフ・ゴードン・レヴィット。現在、日本で彼が初監督/主演している「ドン・ジョン」が公開されているので
「あっ知ってる!」という方多いのでは…!?

実力派ぞろいのハリウッド俳優に恵まれて、意外とすんなりと英語版を見ることができました。また、声以外に注目したのはサウンドエフェクトです。風の吹く音や地震の地響きなどすべて人の声で音を作ったというのですから宮崎監督のこだわりがうかがい知れます。
このような舞台裏も大々的にアメリカでも宣伝すればよかったのに…と思うこのごろです。
アメリカ人の相方はこのことを見る前に知りたかったと言っていたので…。

さて実はこの「風立ちぬ」は2011年の5月、LAのチノという場所で零戦を見たときから非常に興味わく作品として注目をしていました。そのときはマンガで宮崎さんが書いているという情報しかなく、(このことを自分のブログでも少しふれてます。)この時は、まさか映画化され、アメリカで大々的に公開するなんて思ってもみませんでした。

74年前は敵と味方だったもの同士がその当時の話をお互いの国でエンタメ化して楽しんでいます。堀越二郎さんは飛行機を造り、宮崎駿さんは世界を魅了するアニメを創った…。彼らの夢の一端を垣間見た私たちは更なる自分たちの夢を膨らませることができそうです。


"The Wind Rises"を見た映画館


ハリウッドの他の映画とまじって堂々と「風立ちぬ」のサインが出ていました!

上のサインが見にくいと思いますが15番のシアターで上映中と出ていました!


2/19/2014

祝「ROOM237」日本公開しましたよ~どんだけ「シャイニング」好きやねん!シャイニングの主人公ジャックの本も発売中!



「シャイニング」ラバーが意外と多いのだなあと思う今日この頃、とうとうこんな映画が作られたのかぁ~と二井さんの映画コラムを読んでいました。「ROOM 237」は「シャイニング」の研究ドキュメンタリー映画ですね。とにかくこの恐怖映画は最高に面白い!私の身近なところにもファンがおりました!(まあうちの旦那なんですけどね…。)食事のときに「シャイニング」話に花が咲くと、突然思い出したように旦那が食卓でこんなことを言い出します。

"All work and no play makes Jack a dull boy."

「シャイニング」に登場する上の言葉はジャック・ニコルスン扮するジャックがタイプした文章。本を書いていると思っていた奥さんがこの文章がずらーーと書いてある紙を見つけて驚愕する場面があります。
ジャックが狂気に変貌する過程をこんなシーンで表現しているんですね。見事に観客に恐怖へのいざないを植え付けたシーンです!文章の意味は「仕事ばかりで遊ばないと愚か者ジャックになっちゃうよ」



キューブリック展で飾ってあった映画で本当に使われたタイプライター
紙にはあの言葉が…

"REDRUM"

もうひとつ、旦那がふざけて言うことば、「レッドラム」というのは映画を見ればわかるのですがジャックの子供、ダニーの様子がおかしくなる場面、彼がしきりと「レッドラム」と言うシーンです。そしてドアに赤いペンキor血?でREDRUMと書かれており、それが鏡に映っているのをお母さんが見てこれまた驚愕します。鏡に映っている言葉は"MURDER"殺人という意味の言葉です。

以上我が家の食卓の話題でした!(笑)

とにかく「ROOM 237」ではシャイニングラバーたちの薀蓄(うんちく)、研究に富んでいるようです。ンンン…これは見たいです。

ROOM237見ていないので語れなくて残念ですが、アメリカより日本のシャイニングファンの皆様へこんな情報を最後にシェアーいたしましょう。

劇中のジャック・トランスは作家ですよね。オーバールックホテルで書いた彼の本が実は存在し、
アメリカアマゾンで現在販売されています。ファンだったら一冊持ちたいところでしょう????


これがジャックが書いた本が売られているアマゾンのページ
この本の内容はシャイニングラバーたちだったらわかるはずです!(^_^;)


2/18/2014

映画「そして父になる」がアメリカで公開されました!→→→アメリカ人の反応は?


バレンタインズディが終わった次の日曜日に主人と久々に映画館に映画を見に行きました。

その映画のタイトルは "Like father, Like son"です。日本語のタイトルは「そして父になる」です。
えっ?福山君の去年日本でヒットした映画じゃない?なんで今頃アメリカで一般公開しているの?」と未見であるこの日本の作品に好奇心満載で見に行ってきました。サンディエゴのダウンタウンに近いヒルクレストという町にある映画館で2月14日より1週間の上映です。

とりたてて私が注目したのは、この作品に対するアメリカ人の観客の反応です。日曜日の夜の上映だったので席の埋まり度は全体の3分の1ぐらい。日本映画なのに(たまたまなのか)日本人含めアジア人の姿はありませんでした。


劇場の入り口
 6時50分の回の映画を見ました!
     
本当におきた赤ちゃん取り違え事件を追ったルポライターの本を参考にして是枝監督が書いた一作です。シリアスすぎて途中退場してしまうアメリカ人も出るのでは…と心配しましたがさすがにそんなことありませんでした。

とても感動する家族ドラマ、カンヌで賞を取った、あの是枝監督の作品。。。ハリウッド映画に食傷気味でOzuやMizoguchiの好きなアメリカ人には見たい作品なのかなとも思いました。
テーマが重いこともあっていくらでも感情を爆発させたり、子供は泣きわめいたりと出演者がドラマチックに演じるということを期待すると、それは見事に裏切られてしまいます。
あくまで自然な演技、子供も大声で泣きません。2家族のそれぞれの性格、心の動き、など、その心情を台詞よりも視覚的に見せていく、本当にうまいです。静のカメラワークが見事です。こんな表現のしかたはアメリカ人にとって新鮮にうつることでしょう。

映画を見終わった後、一組のアメリカ人カップルと映画館のロビーで感想を述べ合いました。彼らの第一声は「これはパラドックスだ!」でした。
パラドックスという言葉は聞いたことあるのですが、本当の意味があいまいで、自宅に帰るなり意味を調べてみました。
パラドックスとは日本語で言うなら「逆説」という意味です。よく「鶏が先か卵が先か…?」と言う台詞もパラドックスですね。思い出しました。みなが納得をいく前提の中に推論を加えると「えっ?」と思うような考えが出てくるというものですね。

アメリカのタイトル"Like father, Like son"は日本語に訳すと「この父にしてこの子あり」という意味です。福山君演じる野々宮がやっと父になれたのはこの事件がおきたおかげという見方もできます。また血のつながらない息子のおかげでやっと父としての自覚に目覚める!?そう、この物語はパラドックスとして彼ら(アメリカ人カップル)の目に映ったのもうなずけます。

どちらかというとこの作品は、映画をよく見ているファンか、是枝監督ファン、もしくは業界の人には受けが良い作品だったように思います。あまり映画を見ない人にとっては物足りないという感想もあるかもしれません。

そんな中、ハリウッドでスピルバーグが早々にリメイク権を獲得したらしい…。どんな描き方をするのか期待したいところです。



追記:順次公開するようです。評判がよければロングランの可能性大ですね。


1/26/2014

映画「サイドウェイ」の原作者レックス・ピケット氏に会ってきた!


「サイドウェイ」原作者のレックス・ピケット氏と

かれこれ10年ぐらい前になるかな…シネりんの前身である異業種交流ワイン会(楽生會)を開催していたときに、筆談ホステスの仕掛け人であり銀座のクラブの社長であるHさんからワインはピノノワールが美味しくて、口当たりがいいから女性向けだよと教えてもらったことがある。

ワインの知識はゼロに等しいのにワイン会を開催していたわけだから、これには見るに見かねてアドバイスをいろいろとしてくれたのもうなずける。(感謝!)
そのおかげで少々ワインに興味がわいてきて、Hさんの言うとおりピノノワールにワインを変えると参加してくださった特に女性たちの受けが大変よかったことを思い出す。
そんなときに「サイドウェイ」が日本で公開された。私のワインに対する考えが変化したころの2005年のことだった。

この映画は2004年製作アメリカ映画。アメリカで公開されるやいなや国内外で高評価を獲得。アカデミー賞をはじめとする映画の各賞をなんと350も受賞している作品だ。

この「サイドウェイ」をもちろん私も期待を抱きながら公開時に見た。主演があの大好きな「アメリカン・スプレンダー」のポール・ジアマッティ監督は「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン。高評価だからというよりもこの取り合わせは見るしかないなぁと感じたからだ。

内容はというと、キャラ(性格)が正反対の中年男2人のワインロードを行くロードムービードラマ。人の人生をワインに喩えた、笑って笑ってホロッとくる、タイトルのごとく「寄り道映画」なのだ。   なぜかこのようなシチュエーションもそそられる。そして見た感想も、期待どおりだった!!!


ホールフーズ(Whole Foods)店内にレックス・ピケット氏が来るという宣伝が…!


この作品で一躍有名になった作家レックス・ピケット氏が、なんと我が家の近くにあるホールフーズ(Whole Foods)というオーガニック系の食品をメインに取り扱うスーパーマーケットに参上するという情報を1週間前にゲットした。行こうかどうしようか迷い、シネりん顧問の二井氏にこのことを メールすると、さすがわが顧問、レックス氏のことは知っており、こんな返答だった。

―「サイドウェイ」の原作者は、レックス・ピケットという人です。ワインにちなんだ話がたくさん出てくる映画なので、このピケットさんも、当然、ワインについて、たいへん詳しい人と思います。ぜひ、参加されたらいかがですか―。

この一言でシネりんのメンバーに何かを伝えられると思い、行くことを決意。さっそく友人を誘って、行ってみた。とりあえず日本でゲットした「サイドウェイ」のDVDも携えて行ってしまう用意周到さ!

今回のお店の催しはワインコーナーでピノノワールなど映画にも登場したワインの試飲会、そして作者の本の販売サイン会だった。

有名作家さんだからさぞかし人だかりだろうと思いながら行くと、思ったほど人はそんなにいない!しめた! レックスさんはそばにいた男性と話し込んでいたが、これはゆっくりとお話ができるぞ!と思い、まずは彼の目の前に置いてあった彼の本(サイドウェイ)をわざとらしくペラペラとめくってみた。すると彼はやっと私たちに気がついたようで、この本がほしかったらサインしてあげるよと言って、もう書く態勢に入っていた。

もちろん記念になると思い購入を決意、サインをしてもらった。
サインをしているときに私は日本人だと話しかけた。すると、彼はニヤリと笑って、実は「サイドウェイ」は日本でも映画化されたんだよと教えてくれた。そこから怒涛のごとく日本映画の話で盛り上がってしまったのだ!もちろん日本から発売されたDVDも見せると異常に喜ばれ、そばにいたアメリカ人男性はiPadでこの写真を撮るほどだった。(もちろんこのDVDにもサインしてもらった!^^)


レックスさんから購入した本「サイドウェイズ」

もちろん、最初のとびらにサインをしてもらった。


実はレックスさんは日本の昔の映画の大ファンで特に溝口健二監督と小津安二郎監督の大ファンだとか…。溝口、小津、黒澤、篠田、大島は日本映画の5大監督だと言っていた。それに比べ最近の日本映画はあまりよくないねえという辛口批評まで飛び出す始末。

日本版「サイドウェイズ」に関しては自分の思い通りの作品に仕上がっていないと、またまたこれも辛口。どうしても日本をマーケットにして作られた作品なのでしかたがないか…とも。こんな感じで
ワインの話やサイドウェイのストーリーについて聞くことよりもすっかりレックスさんの日本映画論に話は持っていかれた形だ。(汗)  でもこんなこともお話してくれた。

なんとおどろくことに原作ではサイドウェイ2にあたる 「ヴァーティカル」(”Vertical")という本を書き上げていたとのこと。(この意味を調べてみると垂直のとか直立したという意味。)そして去年までチリにいてチリワインを題材にサイドウェイ3を書いていたことがわかった。

これを期にサイドウェイのことをもっとリサーチしてみたくなり家に帰っていろいろと調べてみることにした。すると意外なことがまたまたわかった!

 「ヴァーティカル」は(続編のタイトルを見て想像が付くと思うが、)サイドウェイのさえない2人がその後、成功して女性に困らない生活を送っているという設定から始まる。生活面では男としてもヴァーティカルになったということなのか!? 実際、読んでいないのでどんな感じのストーリーかは割愛させていただく。

それで1作目のさえない男2人は原作ではどうしようもない飲んだくれとして描かれており、サイドウェイとは、寄り道という意味で捉えていたが、実はワインを飲みすぎてべろんべろんになり横になった状態のことだったということがわかった。
映画では、どうしようもない男でもかわいげがあるどうしようもなさだった…。原作はもっとどうしようもないのか!続編のタイトルを見て成功したあとの話とくれば、サイドウェイというタイトルの意味は人生の寄り道という意味以外にも、酔っ払ってのびている状態という感じに受け取ることもできるだろう。

話はホールフーズの場に戻るが、最後に日本で映画の会をしていることを彼に話した。なんとレックスさんは「日本に呼んでくれればあなたの会で喜んでお話をすることができるよ!」と言い個人のメールアドレスまで教えてくれた。

しかし、有名作家である彼を呼ぶことは日本へはファーストクラスのフライトを用意しホテルもそれなりに…ギャラも高いということを意味する。
がんばってあなたを呼べるように努力しますとだけ伝えておいた。←日本人の性ですなあ。

スポンサーになってくれる人がいたら彼に連絡がとれるのでご興味のある方は是非連絡をしてほしい。

なんだかとんでもない展開になってしまった彼との出会い、まずは英語版の「サイドウェイ」を作者から購入できたのだし、その記念にがんばって読んでみようと思う。映画に出てきたピノノワールの味も変わるかもしれない…。


本家本元の「サイドウェイ」アメリカ版



2009年に製作された「サイドウェイズ」日本版