3/03/2011

「ホーム カミング」プレイベント無事終了しました。

「ホーム カミング」プレイベント無事終了しました。
  今回の「ホームカミング」プレイベントは飯島敏宏監督と、監督補佐と言うかたちで
作品に参加された小中和哉監督補にもお越し頂きまして話を伺うことになりました。
わたくし、今回特に「緊張」の二文字を頭に浮かべる感じでの進行でした。
実は飯島敏宏監督は私が子供のころから親しんで何度となく再放送された憧れのヒーロードラマ
「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」、そして「ウルトラQ」などを演出した監督であります。
ある意味ヒーローの生みの親にゲストで来て頂き話していただくと言うシチュエーションです。
緊張ぜづに話を聞く事は無理というものであります。
 さて、今回はウルトラ系ではなく、新作映画「ホームカミング」についてのお話となりますので、
緊張していて流れがそれない事だけを心がけ、お話して頂きました。
 まず、「ホームカミング」と言う映画を撮る動機から飯島監督にお話してもらいました。
 当初は大月プロデューサー(キングレコード)と怪獣もので撮ると言うことで話が進んでいたそうで、
小中和哉監督補も交え、脚本も第2項まで進んでいて、小中和哉監督補は特技監督の位置づけで参加と思いきや予算的な問題か、はたまた、時間的な問題(脚本段階で怪獣ものは3時間以上の作品になりそう)かで、
飯島監督の作品的な流れの源流である怪獣・金妻・人情喜劇の三種から、第2案件と言うことに話が振られ
大月プロデューサーと案件を相談して人情喜劇、「ホームカミング」を制作することになったそうです。
 「ホームカミング」は言うなれば、金妻世代の人々、団塊世代の会社生活引退後のお話。
現在、田園都市線のニュータウンは映画で描かれている様に団塊世代の人達が住んでいる。
しかし、描いていた夢とは裏腹に、子供といずれ同居と言う発想が崩れ、若い世代は、どんどんと住居から
離れて生活する様になり高齢者の町と化していると言う現状、核家族の行く末を描きたいと言う思いが
「ホームカミング」には現れていると言う。
 以前、先の話にも出てきた怪獣映画の準備をしている段階の時、有名週刊誌の取材を受けて、
楽しく取材が済んだと思いきや、発売された雑誌には山田太一さんと飯島敏宏監督2人の名前がどんと出て、ニュータウン政策の煽りに乗り、いかにも理想の町であるかの様に話をつくり、現状の高齢化、孤立化を招く形にしたとされたそうである。
その挙句には、ニュータウン生活には救いがないと断定され、先がない町、将来がない町と書かれたそうだ。
 そこまで言われると飯島監督は、ちょいと待て、いくらなんでもそれはないだろう、わたしも今現在住んでいるニュータウンで、そこまで暗い生活は送ってないぞ。希望はあるのだ。と言う思いがNHKで制作された「理想の生活」のプロデュースに繋がり、娯楽作品として自分でも作りたいと言う方向に進んだそうである。
 飯島監督は自分の作風について娯楽作家であると言われ、人情喜劇と言う話の流れから山田洋二監督と仕事をした「泣いてたまるか」の話なども少し出たりしました。
 さてここから、「ホームカミング」の位置付け、人情喜劇、飯島監督曰く市民喜劇のキャストやスタッフの話へと移り、ここでも飯島監督の作品世界に繋がるキャスティング秘話が楽しめた。
すべてを書くと、映画を観たときに楽しみが半減するかもしれないので、黒部進さん、森次浩次さんと言う
ウルトラ二代スターが共演、そのほかにも、金妻シリーズでの出演者、そして木下プロ時代の人間の歌シリーズなどに出演した方など、飯島監督の作品世界を網羅することにより、より広い範囲で楽しめる作品として楽しめ、まあ、これからご覧になる方のために多くはかたらずにしておきます。
 また、メインスタッフについても然りで、「ウルトラQ」や「怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス」と言う
飯島組のそうそうたるメンバーが集い同窓会的なのりと映画撮影の醍醐味が味わえた現場で、小中監督補は
凄い至福の時でもありましたしよとお話して下さいました。
それに付随して小中監督補などの平成ウルトラ組の年齢のスタッフは、現場ではお若い人などと呼ばれていたと言う裏話も聞けました。まあ、メインスタッフが70代と言うのはかなり凄い現場であり、だからこそ「ホームカミング」のお話事態にも同世代として盛り込めているのだなあと思いました。
 あと一つ裏話で面白いところとして、撮影の稲垣涌三さんと照明の佐野誠さんが予算を度外視して35mmカメラとHMIのドデカイ照明を据えて、黒澤映画のメイキングでしか観たことのないくらいの撮影現場を再現されたとかで、小中和哉監督補いわく、夜でも太陽をドカンと作るほどの凄さがあり、時間が掛かる大事と思いきやライトの凄さは撮影の短縮にも繋がり非常に勉強にもなったそうです。
 また、「ホームカミング」クランクインのファーストショットはエキストラのおばあちゃんが石段を登るシーンから始まったそうで、その照明に関しても凄いライティングでエキストラではなく有名役者さんなみのファーストショットだった模様で、こういうシーンは是非劇場でチェックして頂きたいとも語られた。見に行かれる方、是非チェックをお忘れなく。
ここから映画に描かれた町や人に関しての話に移り、実在の町で実在の登場人物をモデルにしているので、
ある意味ドキュメンタリーに近いエピソードで物語は構成されているのそうで、出演された町のみなさんは非常に上手く日常を演じてくれている
様子が伺えるそうです。
 飯島監督の作品に関する思いとは、「ホームカミング」は題材とすると非常に重たい作品にも出来る可能性も秘めているが、
重たいテーマの方が芸術作品と言われるのかもしれないが、そんな作品にはしたくないし、
見た人達が楽しんでくださる映画であってもらいたいとの思いが強いそうだ。
 他にも色々とお話いただいたが、ライブであるトークイベントの場合、その場その場での雰囲気や進行が大切、今回も参加された方達には楽しんでいただけたとい思う。
 最後にわたしの「ホームカミング」を観たちょいとした感想で締めくくりたい。
 「ホームカミング」は観ていて非常に楽しい映画であり高齢者の方たちには、特に劇場に足を運んでいただきたい映画でもある。
この映画のテーマは家にこもらず町へ出かけなさい。健康や楽しさは、それについて来る。老人よ町へ出よ。
そう語りかけるように思います。
 平成の喜劇王高田純次さんの初主演映画、ほっこり人情喜劇「ホームカミング」は3月12日よりロードショーです。是非足を運んで楽しんでいただきたい。